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ミンクの毛の長さの価値と、その誤解

こんにちは、というよりも今は真夜中ですが、先ほどアップしたウィスパーピンクのボレロのことで少し書いてみます。
一般的にいうとミンクは毛が短いほうが価値があると言われています。ただ、この短いという意味には、いくつか誤解があります。いわゆるショートナップといわれるアメリカンミンクのようなタイプのミンクの本当の意味は毛が単純に短いということではありません。ショートナップの本来の意味は綿毛に対して刺し毛の飛び出す長さが、とても短いという意味です。一般的にサガミンクは綿毛から飛び出す刺し毛の長さが長いとされていますが、最近ではヨーロッパのミンクもコペンハーゲンファーのようにアメリカンタイプのように刺し毛が短いものが多くなりつつあります。
しかし、フェンディのようにヨーロッパ系のブランドの多くはアメリカンタイプの刺し毛の短いタイプではなく以前のサガミンクのようにすごく長い毛のミンクを好んで使っています。アメリカンタイプのシルキーといわれるものよりも毛が長く、より毛皮らしいものを好んで使います。一度フェンディのショップにでも行って見てみると、それが良く分かります。今回のこのウィスパーピンクのボレロも毛が長いタイプを使っています。写真でも解るように拡大して撮ってある写真がありますので前回アップしたダスクブルーボレロと比べてみてください。毛皮を少し知ったひとはショートナップをことさら良いと思い込んでいますが、実はフェンディはミンクについては真逆のスタンスを取っています。フェンディの発症の地がイタリアであるためにヨーロッパ系のミンクを好んで使うのかは分かりませんが、そういう事実があるということも認識したうえでショートナップについて話す必要があります。